60歳で辞める!

50代半ばのサラリーマンが60歳で退職するまでの日々を綴ります。

一番大切な人

「自分の存在価値ってどこにあるんだろう」とか「これからの人生をどう歩めばいいか」とか、若い頃はそんなことを考えることもなく、がむしゃらとまでは言わずとも、結構なスピードで日々の生活を送っていました。後ろを振り返るようになったのは30代半ばだったと思います。

 

35歳のときに母親を亡くしました。そのときに悟ったのです。「自分のことを一番大切な人だと思ってくれる人は、もういない」と。

 

父親とは折り合いが悪く、険悪なわけではありませんが、いまいち心が通わない時間が長く続きました。妻は、子どもの方が大事でしょう。だから、僕のことを一番大切な人と思う人はいないのです。そんなことを考えていると、心に穴が開いたようになって、精神的に不安定になりました。

 

この心の穴を埋めようと、20年近くいろいろ考えてきましたが、こればかりはどうにもならないようです。「早期退職」なんて言葉を出すと、「何を甘いことを」と母なら言ってくれるはずなのですが、その声を聞くことはできないのです。