60歳で辞める!

50代半ばのサラリーマンが60歳で退職するまでの日々を綴ります。

寂れた商店街

ときどき出張などで地方都市にやって来ると、町の中心部なのに寂れてしまった商店街を目にすることがあります。

 

大半の店にはシャッターが降り、アーケードの照明も暗く、もちろん人通りもまばらです。その光景だけでもノスタルジーを感じさせるものなわけですが、一度も訪れたことのない場所なのに、子どものときのことが思い出されて、とても切ない気分になるのです。

 

もちろん住んだことのないので「記憶」はありませんが、物覚えがつくかつかないかの時期の「気持ち」のようなものが蘇ってくるのです。

 

ひょっとしたら、ようやく歩けるようになった頃に母に手をひかれたことや、好きなオモチャを買ってもらえず駄々をこねたことなど、覚えていないけれども頭のどこかに残った断片が再生されるからでしょうか。

 

母とそんな話をしてみたいと思っても、あの世とは会話はできません。でもきっと、商店街は母の思い出のタグに間違いないと確信しています。